ランニングの効用にはさまざまあります。
ダイエットになる、気持ちが晴れる、すっきりする、
脳力がアップする…などなど。
『挫けない力』でも、その効果について、白戸さん、石田さんが
それぞれに書いてくださっています。
今回は、中でも、野性を目覚めさせる!
なんだか、「野性」なんて言葉は、あまりリアリティがない
時代ですね。思い浮かぶのは、「野生の証明」とか「野生の王国」
とか…(笑)。
でも、これって案外、重要なことのような気がします。
日本人は、先の東日本大震災で、そのことを誰もが
意識的・無意識的に感じたのではないでしょうか。
人間、これだけ便利な時代になるとなかなか
普段自分の肉体を意識することがありません。
駅にもスーパーにも、エレベータもあれば、エスカレータもある。
移動はもっぱら車。歩くと言えば通勤くらい。
そんな方も多いのでは?
私もそうなのですが、これでは本来あるはずの“野生”は
眠ってしまったまま。
「第六感」という言葉、オカルトチックな響きもありますが、
実は意外に重要なのだと思います。
ランニングを習慣化すると、普段眠っている五感が
開く感覚があります。
野生動物は、この五感をフルに開き、危険を
全力で察知する能力に優れています。
人間も、直感が研ぎ澄まされてくると、「危ない場所」「危ない人」が
ある程度、見分けられるようになるようです。
武道の達人は、単に肉体や力が強いから達人なのではなく、
危険な場所に近寄らない、危険なものを感じたら、
すぐに頭の中にアラームが鳴るものだ…というような
趣旨のことを、思想家で武道家の内田樹さんも
繰り返し書いていらしたと思います。
君子危うきに近づかず。
何があるかわからない時代だからこそ、
ランニングで体を鍛え、五感を開いて生きていくことが
重要になるのですね。