レジリエンス(resilience)とは、ウィキペディアによると、
「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」などとも
訳される心理学用語のこと。
石田さんのブログ(1月20日)でも、
《▼困難や急な変化にもしなやかに対応する
「レジリエンス力」とは?》というタイトルで、
その重要性について触れていらっしゃいます。
仕事で読んでいた本にも、
このレジリエンスという言葉が頻繁に使われていました。
オバマ大統領の就任時の施政方針演説でも使われて
有名になった言葉だそうです。
私が読んでいる本では、このレジリエンスは、
こころの病の防御因子としても注目されているそうです。
レジリエンスを「こころの免疫力」と位置付け、
単に脳の問題だけではなく、食べ物や腸内細菌を含めた、
体全体の問題としてとらえ、その力をいかにつけるかが重要とのこと。
石田さんのブログにある通り、
この力を身につけるためにはランニングが非常に有効です。
それは、本書『挫けない力』のテーマでもあります。
副題の「逆境に負けないセルフマネジメント術。」
これこそ、まさにレジリエンスそのものだと思います。
こころの問題は、なかなかこころの操作では
解決しづらいと感じます。
昔から瞑想や呼吸法などが、こころを落ち着ける方法として
定着しているのも、こころの問題(脳の暴走)を、
いかにからだの面からアプローチして
コントロールしていくか、が重要なことだったからでしょう。
その意味でランニングは、
まさに瞑想と呼吸法が合わさった効果が得られる、
現代の多忙なビジネスパーソンにうってつけのツールだと言えます。
精神と肉体は表裏一体とは昔から言われることです。
私は、結構つらい負荷がかかった練習をする度、肉体の回復力に驚き、
さらにその仕組みに感動さえしています。
しかも、負荷が大きくなるほど、筋力はその限界値を超えていき、
成長していく。
もちろん、あまり負荷をかけ過ぎると「故障」「ケガ」の
原因となるので、そこはセルフマネジメントが欠かせませんが、
40歳を超えても、肉体の成長する力を感じること、
ただそれを実感するだけで、精神的に非常に安定する気がするのです。
景気がやや上向いてきたとはいえ、依然、多くの方々は
ストレスフルな状況にあることは間違いありません。
日々抱える悩みは、景気とは関係なく、さまざまな問題が複雑に
絡まり合って我々の身に降り注いでくるものです。
こんな時代こそ、身体性にもっと目を向けて、前向きに生きていく。
こうした姿勢が必要になってくると思いますし、
昨今のマラソンブームを根底で支えるのは、まさにここにあるのでは
ないだろうか、そんなことを思っています。