私が実際にマラソン大会に出て、
素晴らしいなあと思うのは、
「ゴールがある」こと。
…当たり前です(笑)。
ゴールのないマラソンなんて成立しませんよね。
確かにそうです。
でも、ビジネスにおいてこの「ゴール」を明確にするのは、
実際、なかなか大変ではないでしょうか。
自分一人のゴールなら明確に設定できても、
チームで動いたり、さまざまな利害関係や
パワーバランスなどもあり、
何をゴールとするのかは
会社そのもののビジョンとも関わってきて
容易ではないでしょう。
マラソン大会では、競技として出場する選手や
タイムを狙う人以外、
目的は無事に完走すること、
つまりゴールすることだと思います。
非常にシンプル!
そして、ランナーにとって、
ゴールとは「目標」であると同時に、
「希望」「救い」でもあります。
大会で走るときは、普段走るときとは違って、
ペースを上げて走るので正直つらいものです。
でも、そのつらさに耐えられるのは、
つまるところ、ゴールがあるから。
どんなに苦しくても、数時間後にはゴールにたどり着いている。
その確信があるからこそ、
人は、肉体的・精神的な痛みを
そのまま受け入れ、ひたすらゴールを目指すことができます。
ビジネスで思うようにいかない、ミスをした、
あるいは上司や部下、取引先との人間関係がうまくいかない。
こういうとき、人は簡単に挫けます。
かく言う私自身がそうです!(自慢するほどではないけれど)
でも、どこかに突破口はあるはず。
そして、前回書きましたが、ランニングで培った
自らの状況を「客観視」する力があれば、
問題を発見でき、その問題解決に向けて方針が定まり、
改善のための行動が迅速に起こせます。
加えて、ゴールが明確に設定されていれば、
挫折経験も、ゴールへ向かう一里塚。
むしろ「バネ」に変えることができる。
大会に出場するのをお勧めするのは、
この「ゴール」の感覚が、ビジネスでも非常に役に立つ
のではないかと思うからです。
ビジネスのゴールは、マラソンを喩に出すと、
人によってそれぞれで、状況・キャリアによって、
5キロ、10キロ、ハーフ、フル、など多様でしょう。
そして、ゴールそのものには優劣などなく、
それぞれの、ゴールをくぐること、
それこそが非常に大切なことなのだと思います。
ビジネスにおけるゴール設定は非常に難しいものですが、
マラソン大会に出場し、ゴールする経験を重ねるうちに、
やがて明確なゴールが見えてくるように思います。
ゴールをくぐる経験を重ねると、
常に、日常のなかでもゴール感覚が研ぎ澄まされてくるからです。
最後になりましたが、
石田淳さんが提唱する行動科学マネジメントでも、
この「ゴール」を実行・継続・達成の大切な要素とされています。
何事もまずは「スモールゴール」を設定し、
ハードルを次第に上げて「ラストゴール」に至る。
ゴールって本当に大切ですよね。
これを書きながら、自分でもその大切さを
今更ながら再認識しました(笑)。
『ザ・ゴール』はまだ読んでいないのですが…。
私ごとながら、仕事上、個人的ゴールは明確なのですが、
会社全体のゴールとなると、なかなか…難しいですね。
でも、個人的なゴールが、
やがて全体のゴールに結びついていくのもまた、
間違いないことではないでしょうか。