久々に更新ですが、今回は少し毛色を変えて……。
ちょっとランニングから逸脱します。
先週末の金曜日のことです。
神奈川県民ホールで開催された、西城秀樹さんのコンサートに
お招きいただき、その熱いステージを間近に見てきました。
(仕事の関係で、事務所の方に招いていただきました・役得?)
西城さんは、二度の脳梗塞に見舞われながら、
不屈の努力で現在、年間100以上のステージを務めるほど
精力的に活動をされています。
ただし、体はまだ不自由で、発語も完全ではありません。
そんな状態で、全国各地でコンサートを開催し、
2時間近くに及ぶ長丁場で熱唱している。
予想通り、ホールに集った客席は中高年の女性が中心。
ご夫婦らしきカップルもいたり、母娘らしき二人連れも。
二階席から見るアリーナは、すでにペンライトが……。
私もいただいたペンライトを所在なく片手に持っていました。
そして、往年の大スターの登場!
四十代半ばの私にとっても、西城さんといえば、
「カックラ金」のお兄さんだし、
ハウスバーモンドカレーの「ヒデキ、感激!」だし、
さらに、数々のヒット曲があり、カラオケで何度物真似したことか。
(西城さんの物真似は、当時、私の中で?基本?でした)
幕が開いて驚いたのは、その歌声!
!!! すごい迫力です。
後遺症をまったく感じさせない、つややかで伸びのあるボーカル。
どれだけリハビリを重ねたのか……。
この時点で、すでに胸がジーンとしていました。
さらに、私のなじみ深い曲、「南十字星」「ギャランドゥ」
などには、私自身の小学校の頃のことがふっと浮かんできて、
なんというか、懐かしさに溺れそうな感覚になりました。
おそらく、この会場にいる多数派のかつての乙女たちも、
同様に、過去にタイムスリップして「ヒデキ―!」と歓声を
上げている。
合間のトークでは、発語が十分ではないものの、
笑いを取ったり、絶妙の間でちょっととぼけたり。
途中、座ってバラードを歌ったかと思うと、
激しい曲では、おぼつかない足取りでも立ち上がって
ステージを移動したり。
その姿が、打たれても打たれても、前に出ていく
ファイターのように私には見えました。
「この人は、決して自分(運命)から逃げていない」
そう思ったとき、自然に涙が流れました。
音楽による興奮もあったかもしれません。
リハビリには想像を超える大変さがあるでしょう。
そして、あれだけのスターが、思うように体を動かせなく
なってしまったことを受け入れるまでの葛藤はいかほどだった
だろうか、それでも、すべてをさらしてステージに立つ。
──それは憐憫などではなく、一人の男の姿に、
直に胸を打たれた涙だったと思います。
いずれにしても、コンサートで泣くなんて初めての経験でした。
最後のほうは、大興奮のヤングマンでYMCAをやりつつ
(四十肩の痛みで右手だけで)ペンライトを振り回しました。
時間は皆に平等に過ぎていき、人間は皆年老いていく。
そんな無常も感じていました。
西城さんももうすぐ還暦を迎える。
でも、西城さんは前に出続けている。
もしかしたら、現役バリバリのアイドルのとき以上の
エネルギーを使って。
ランニングでも、「自分から逃げない」というのは、
非常に共通性があるような気がします。
自分に課した練習もそうですし、大会でいくら辛くても
ゴールに運んでくれるのは、自分の足しかありません。
(もちろん、無理してけがをしない範囲で)
そして、挫けてもいい。
ただし、挫けても挫けても、前に出ていく。
後ろにはゴールはなく、ゴールは常に前に出た先にある。
自分を振り返って、まだ四十代半ば。
老け込むような年ではありません。
いや、前に出るのに年齢なんて関係ないのだと思います。
来春の118キロマラソンへの挑戦も、ある意味で、
自分への挑戦。どこまで前に進み続けられるのか。
今月23日は昨年に続き、大田原マラソンに挑戦し、
サブフォーを狙います。
それなりに調整はうまくいっています。
いい報告ができればいいな、と思っています。