2001.05.01こころの出版社=清流出版
「清流出版の単行本や雑誌を読むと、なぜかこころがあたたかくなる!」と読者のみなさんに評価されるように、日々、編集に努めている(成功しない企画もままあるが……)。
出版社には、各社まちまちの路線、編集ポリシーがある。例えば、(1)売れ筋の本とあれば、どんな著者、タレント、テーマでもすかさず出版する会社(比較的に大部数、低価格志向)、(2)あるジャンル、専門分野にこだわった編集に徹する会社(比較的に少部数、必然的に高価格)、(3)総合出版社を標榜している会社(部数、定価はピンからキリまで)等、各社まちまちだが、清流出版の場合、どちらとも言えない。月刊『清流』の創刊号以来のバックナンバーと、既存単行本のリストをつぶさに見てもらえば、多分、(1)の出版社でないことをわかってもらえると思う(うーん、実はこのほうが経営的にはいいのはわかっているのだが、体力的に無理がある。この方法だと、ベストセラーも出やすい)。そうすると、(2)と(3)のどちらかとなる。わが社のように社歴の短い、小さな出版社は、短期的には(2)の道をとって特徴ある路線を築き、そののち長期的には(3)を目指す、という戦略的な路線を築いていくほうが無難だとの結論にならざるを得ない。
清流出版は現状、どっちつかずの道を歩んでいるのが実態だ。累計単行本の数で90弱規模では、取次、書店対策、販促宣伝の問題など小出版社ゆえのハンデもある。だが、いつまでも、このままでは済まされない。今年度は勝負の年として、企画にも、宣伝広告にも、販売戦略にも一段と力を入れたい。「こころの出版社=清流出版」という旗竿を高々と挙げて、「一寸の虫にも」の意気でやり通さねばならないと、心に決した。清流の清冽な水、きらきらするオアシスのような流れを現代日本の読書界に投じようと、一同、熱き思いを胸に秘めている。
左は、このホームページ担当編集長の金井雅行君。堂々体重○○キロの偉丈夫だ。東京外語大学東南アジア語学科卒。現在、TOEIC挑戦中。右は、この欄(「編集長から」)執筆の加登屋陽一。四点杖に助けてもらう右半身不随の身で、言語障害が残る。だが、心はいつも前向き、上機嫌を目指している。