ヤンデル先生の日常と思考を一緒に旅する新感覚エッセイ! 「病理医とは何か」「私とはどういう人間なのか」あらためてきちんとぶつかります! 「病理医ヤンデル」の日常、ツイッター論、病理医への道、生老病死から幸福論…… 思考がぶつかり、変化する!
定価=本体1500円+税
イラスト=よしだみさこ
ブックデザイン=krran(西垂水敦・松山千尋)
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ブックデザイン=krran(西垂水敦・松山千尋)
2020年という年のことはずっと覚えていると思います。参りました。いろんな予定がなくなった。いろんな楽しみもなくなった。リアルのイベントは全部ウェブに変わって、慣れたやり方も通用しなくなって、考えなければいけないことがいっぱいありました。
— 病理医ヤンデル (@Dr_yandel)2020年12月25日
8月にあるオンラインイベントをやりました。休みの日、静まりかえった職場で、私はひとり、SONY製の4Kカメラに向かって、遠隔地にいるお坊さんや漫画家、犬、写真家、トレードマークのうさぎを私から奪った小児科医などと対談をしました。あれは大変だった。けど、本当に、いろいろ考えた。
— 病理医ヤンデル (@Dr_yandel)2020年12月25日
これまでないくらいに、接続と切断をくり返しながら考えたあの日、生老病死について、ひとつ思うところがありました。イベントが終わってしばらくして届いた原稿依頼に、私はそのとき考えていたことをすべて書きました。自分で読んでみたかったからです。そういう本です
— 病理医ヤンデル (@Dr_yandel)2020年12月25日
何度も問われてきた「病理医ってなんなの?」。
医学生のBさんと一緒に、読者さんもヤンデル先生の1日を見学します。モーニングルーティン、病理診断で細胞を見て思うこと、昼休み、夕方5時。接続と切断を繰り返す、ワーク/ライフスタイル。
1-1 「医師のお仕事」と「病理医のお仕事」
医師の仕事を分類してみる/キーワードは「分業」、そして病理医の役割
1-2 モーニングルーティン
病理医の日常に密着/メールが「主戦場」です/相談に乗ることが大切な仕事/極めて重要な朝の2時間
1-3 病理医の1日
病理診断見学スタート/一緒に顕微鏡を覗いてみましょう/全力で病(やまい)の理(ことわり)を考える
1-4 食堂にて
お昼休みの質問タイム/「給料」と医師のイメージ/休暇と研究費のやりくり
1-5 5時と休日と
密着ツアーを終えて。照り返しと残像/境界は、夕方の5時/「ノード」を変える
第1章をチンタラ書いていたらなんかつまんないなと思ったのでやり方を変えて、ある医学生にうちの職場を見学してもらう、というテイで書いてみたら今まで書いたことのない話がいっぱいでてきました。
pic.twitter.com/R2KkOdRw8a— 病理医ヤンデル (@Dr_yandel)2020年12月25日
第2章ではSNSの特性をわりとガチめにお話ししています。ツイ出身の著者が用意しがちな章だというのはわかっていましたが、それを越えるものが書けないとどのみち世の中に出せるようなシロモノにはならないよな、みたいな無駄に緊張感ある執筆をしました。
pic.twitter.com/Wgon1jLiUT— 病理医ヤンデル (@Dr_yandel)2020年12月25日
ヤンデル先生の日常で、避けては通れないツイッター。「世界をどう受信するか」という命題の回答として、おおまじめにぶつかります。「同期」「呼応」「反射」、そして自分との「境界」。曼荼羅のようなネットワークの世界で、医療をやさしく広げていくヤンデル先生のSNS戦略!
2-1 ツイッターの「ヤンデル先生」
おおまじめに書くツイッター論/発信は受信の「反射光」/病理医ヤンデルと自分の「境界」/境界からしみ込む無数の外部
2-2 医療情報とツイッター
ダジャレについても考えてみる/ツイッターで「医療情報」を扱うことは遊びではない/医療情報を「書いて、置くこと」/情報を届ける工夫
2-3「SNS医療のカタチ」のかたち
医師がチームで発信する/広報役としての反射体/「分業」でチームが強くなる!/医療を「やさしく」広げていく
医学生時代から色んな壁にぶつかりながら、病理医の仕事のやりがいに出会うまでの来し方を振り返ります。ライフワーク「画像・病理対比」に奮闘する今に至るまで、過去の無数の「衝突」によって「生成変化」した日々とは……。
3-1 成績がいいから医学部に入りました、のあとに
来し方を振り返る/「やりたいこと」より「できること」だった/たどり着いた場所
3-2 「できない」の壁
研究の道に突撃/打ちのめされた自分/病理医の道を歩みはじめる
3-3 「病理医が足りない!」
はじめて「現場の病理診断」に触れる/無数のコミュニケーション/見つけた「やりたいこと」
3-4 一進一退の日々
突然の二刀流宣言/さまざまな知見を照らし合わせて/今も、苦闘の日々
第3章がつまんないと第4章が死ぬのでがんばろうとおもいました。
pic.twitter.com/Hut3bh5orW— 病理医ヤンデル (@Dr_yandel)2020年12月25日
第4章はかんたんに言うと、「おれ、これが書けるのか!」と自分が一番うれしかったタイプの話ですので、できれば多くの方に手に取って読んでいただきたいなとヒネリなく願っております。
pic.twitter.com/6N6NjrqGUV— 病理医ヤンデル (@Dr_yandel)2020年12月25日
「生老病死」を四つの山にたとえて「病理医」のビューポイントから語ります。感染症禍のつながれない世界とどう向き合うか。ヤンデル先生の幸福論とは? 読み終わった後、見える世界が変わります。
4-1 病理医から見た生老病死
生老病死という四連峰/病気とは、相対的なもの/人も医学も生成変化する/異なる視座と、死という「見えざる山」
4-2 新型コロナウイルス感染症禍の世界において
「分業」して「病」という山を見る/感染症によって変化したもの/ソーシャルディスタンシングの世界で
4-3 いま、「生」を保つために
人体のメカニズムの精巧さ/運動は、一番めんどうな健康法/医療は「併せ技」です
4-4 ヤンデル先生の幸福論
考えたことのないテーマに戸惑う/祖母と見た桜と、自分の生きる「ストーリー」/幸せそうな健康オタクの友人/「分業」と「照らし合わせ」の先に
1978年生まれ。2003年北海道大学医学部卒業。国立がんセンター中央病院(現国立がん研究センター中央病院)研修後、札幌厚生病院病理診断科へ(現在、同科主任部長)。医学博士。病理専門医・研修指導医、臨床検査管理医、細胞診専門医。ツイッターでは「病理医ヤンデル(@Dr_yandel)」として人気を博し、現在フォロワー数12.8万人。著書に『いち病理医の「リアル」』『Dr.ヤンデルの病院選び ヤムリエの作法』(共に丸善出版)、『病理医ヤンデルのおおまじめなひとりごと 常識をくつがえす〝病院・医者・医療〟のリアルな話』(大和書房)、『どこからが病気なの?』(ちくまプリマー新書)などがある。