内容紹介
何者をも恐れない舌鋒鋭いコラムの名手として名を馳せる一方、稀代の名文家として、読む者を魅了する著者。本書は、天寿を全うした人への畏敬の念、あたたかな交流のあった人への想い、また無念の死を遂げた人や家族の代弁者として、生と死の深淵を見つめた珠玉の随筆集。
三島由紀夫から教えられた冷たいスープの味、しばしば飲食をともにしあたたかな交流のあった山本夏彦や久世光彦との別れ、人生のアテスタントである妻の死など、喪失感を抱えながら死ぬまで生きることの意味を問う。著者自身も昨年、悪性リンパ種を克服。死の淵から生還、復活第1作「御礼参り」など、最新作も収録。